子宮がん検診

子宮がん検診について解説します①【検診を受ける前】

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20歳以上の女性は、少なくとも2年に1度の子宮がん検診が推奨されています。

この記事を読めば、検診を受ける理由、検診をどこで・どうやってうけるのか、検診に補助が受けられるのか、ということがわかります。

これらは、「子宮がん検診を受ける前」に出てくるような疑問だと思います。

これから受けようかな、と思っている方や今まで子宮がん検診に興味がなかった方にはとても良い情報だと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

子宮がん検診について解説します①【検診を受ける前】

どうして子宮がん検診を受けなければいけないの?

がん検診を行う1番の理由は、病気の早期発見にあります。

「症状や前兆みたいなものがあってからではいけないの?」

と、思うかもしれませんが、

子宮頸がんは、症状が出た時には進行がんになっていることがある

というとてもおそろしい性質があります。

ちなみに、子宮頸がんの症状には不正性器出血(月経ではないときにおこる性器出血)や性交時出血(性交のときに性器から出血してしまうこと)があります。

このような症状がある場合に、ぜんぶが子宮頸がんと診断されるわけではありませんが、産婦人科医としては子宮頸がんの可能性は常に頭の片すみには置いておくようにしています。

子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスによって発症してしまうといわれています。

HPVはセックスによって感染してしまうものなので、すでに経験済みの方であればだれでもその危険性がある、と言えます。

症状が出てからではなく、早期発見のために、子宮がん検診を受けることをおすすめします。

なんで20歳以上、こんな若いうちから子宮がん検診を受けなきゃいけないの?

子宮頸がんは20-40歳台の女性が多く発症することが知られています。

その理由は、HPV(ヒトパピローマウイルス)という、セックスによって感染するウイルスによって発症してしまう可能性があるからです。

みなさんをこわがらせたいわけではありませんが、現実に、若いうちに進行した子宮頸がんを発症してしまい妊娠をあきらめなければならない方や、子育てしながら闘病を余儀なくされてしまう方もいるのです。

異型性という状態や早期癌の状態でみつかれば、妊娠をすることも可能ですし、根治(癌を完全に治してしまうこと)も可能です。

子宮がん検診は他のがんとはちがい、若いうちからの検診が必要

大腸がんや胃がんなどのような中年以降に発症することが多くなっているがんでは40歳以上からがん検診を行うことが勧められています。

一方で、子宮頸がんは20歳から40歳に発症数が多くなっています。

このように、若いうちから発症するということが知られているので、20歳以上の女性は子宮がん検診を受けることが勧められているのです。

子宮がん検診はどこで受けられるの?

お近くの産婦人科クリニック産婦人科がある総合病院を受診すると受けることができます。

ただし、完全予約制をとっている場合や初診料がかかってくる場合がありますので、受診する前に行こうとしているクリニックや病院に問い合わせてみるとよいかもしれません。

事前予約フォームやお電話で予約できることもありますし、予約せずに飛び込みで受診してほしいといわれるケースもあると思います。

お住いの市区町村でも検診バスなどで集団検診を行っている場合があります。

市区町村のホームページや広報に情報があるはずです。

詳しくは電話やメールで市区町村に問い合わせてみてください。

また、働いている方の場合は、年に1度の職場の定期健康診断と一緒に子宮がん検診を受けられることもあります。

しかし、職場の検診でがん検診はやっていないという場合は、自分で産婦人科を受診して子宮がん検診を受ける必要があります。

子宮がん検診に補助金があるって本当ですか?

子宮がん検診では、公費といって市区町村による医療費の補助を受けることができる制度があります。

20歳以上の女性の方であれば、お住いの市町村からご自宅にがん検診のお知らせが届いたことがあるのではないでしょうか?

なぜがん検診に公的な補助金がでているのか、というと、しっかり理由があります。

国や自治体が、がん、という病気を減らしたいと思っているからなのです。

そんなの当たり前だろ、って思うかもしれませんが、国や市町村が金を出すということは、みなさんにできるだけ負担がないように検診を受けてほしい、そして早期発見してほしい、という意味が込められているのです。

補助金が出る根拠になっているのが、「健康日本21」や「がん対策推進基本計画」です。

それらによると、「子宮がん検診の受診率は50%以上を目標にする!」とかかげられています。

実際の受診率の推移をみると、2010年には37.7%だったのが少しずつ増えていき、2019年には43.7%にまで上昇しています。

まだ50%という目標には達していませんが、がん検診の補助金を出すこと、それと補助があるんだよ、っていうのを知ってもらうことで多くの人が、「がん検診を受けてみようかな」、という気になってくれる効果があることは確かだと思います。

補助券や無料券、クーポン券がお手元に届いたら、お時間のあるときに子宮がん検診にいってみてくださいね。

まとめ

この記事では、検診を受ける理由、検診をどこでうけるのか、検診にはお金の補助がある、ということについて解説してきました。

「これから受けようかな」、とおもってくれた方は、ぜひ子宮がん検診をうけてみてください。

まだ受けたことのないご友人や検診するか迷っている知り合いの人がいたら、子宮がん検診を受けるようにおすすめしてもらえると、とってもありがたいです。

もう子宮頸がんの好き勝手にさせてはダメ!

参考資料

・健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf

・がん対策巣新基本計画の全体目標 第3期がん対策推進基本計画の策定に向けて
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000148815.pdf

・国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

https://ganjoho.jp/reg_stat/index.html

公費負担についてわからない場合は各自治体の窓口にお問い合わせください↓↓

・各自治体のがん検診窓口

https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/contact/map/